付言事項

遺言の付言事項とは、遺言書に記載する法的効果のある事項(法定遺言事項)以外の、法的効果のない事項のことです。

遺言の効力が発生するのは、遺言者が亡くなってからのため、後から遺言者の意思を確認することができません。そのため、遺言については方式(民法第960条)だけでなく、法的効果の生じる記載事項が厳格に法律で定められています。通常は、財産の配分について記載することが多いですが、子の認知(781条2項)や未成年後見人の指定(民法第839条)なども可能です。
しかし、法定遺言事項以外であっても記載することができないわけではなく、遺言者としては最後の意思や家族に対する感謝なども含めて記載したい場合もあるため、付言事項として(通常は遺言書の最後に書き添える形で)記載することがあります。自由に記載することが可能ですが、法的効果はないことと、色んな気持ちがあったとしても否定的な感情の記載は避けた方が良いでしょう。相続財産の配分について、不動産を誰か一人に相続させたり、均等ではない場合に相続人の感情を配慮して理由を記載する場合もあります。また例えば、自宅不動産を妻に相続させたいが、妻が亡くなった後は、長女に残したいなどの場合、妻が一旦相続した財産の処分(誰に相続させるかの判断)は妻が行うことになります。そこで、そのような希望を(法定効果はありませんが)自身の付言事項に記載することもあります。

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