株主総会資料の電子提供制度
株主総会資料の電子提供制度とは、従来株主に対し書面で提供していた株主総会資料(株主総会参考資料や計算書類、事業報告等)を、自社のWebサイトに掲載し、そのWebサイトのアドレス等を書面で通知することにより行う制度です(2022年9月1日施行・会社法第325条の2、第325条の3)。
この制度の採用により、会社は株主に株主総会資料を書面で提供する必要がなくなるため、印刷・郵送コストの軽減が可能となります。また、Webサイトでの株主総会資料の提供は、株主総会日より3週間前の日又は株主総会招集通知を発した日のいずれか早い日までに行う必要があり、遅くとも3週間前には提供されるため、株主が議決権の行使等において従来より時間をかけて検討することが可能となります。
会社がこの制度を採用するためには、株主総会資料の「電子提供措置をとる旨の定款変更」が必要となります。また登記事項にもあたる(会社法第911条3項12号の2)ため、登記申請手続きもとる必要があります。ただし、上場会社(振替株式発行会社)においては電子提供措置をとることが義務となり、定款変更をしたものとみなされるため、定款変更は不要です。
なお、実際にはパソコン、インターネットを利用していなかったり、家で資料を印刷できる環境がない人も多いため、会社がこの制度を採用している場合でも、株主は書面交付請求をすることにより、従来通り書面の交付を受けることも可能となっています(会社法第325条の5)。
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