外国人を所有権の登記名義人とする登記

令和6年4月1日より、外国人の方を所有権の登記名義人とする登記申請において、ローマ字氏名(アルファベット表記)も申請情報として提供する必要があります(不動産登記規則158条の31、令和6.3.22民二552号)。

そのため、外国人の方を登記権利者とする所有権移転登記や所有権更正登記、所有権登記名義人氏名変更登記(更正登記)を申請する場合、カタカナ・漢字での氏名とは別にローマ字氏名も申請情報とすることとなりました。(条文上は「申し出る」とされており、申出の方法として申請情報の内容とすることになります。)従来のカタカナや漢字での氏名の登記に変更があるわけではなく、ローマ字氏名は登記事項ではなく補足事項として併記するとされています。また、ローマ字氏名の取り扱いは所有権登記名義人についてのみであり、抵当権者などは対象外です。

下記は、ローマ字氏名の記載ルールです。
① ローマ字以外の文字や記号による記載はできない。
② ローマ字氏名は、全て大文字で記載する。
③ ローマ字氏名の氏と名の間にはスペースを空ける。(中点等で区切ることはできない。)
④ ローマ字氏名は、登記記録の(カタカナや漢字)氏と名の順に従って記載する。
⑤ 母国語の氏名に「Ⅲ」、「Ⅳ」又は「Ⅸ」等のローマ数字が含まれる場合、当該ローマ数字について「I」「V」又は「X」等のローマ字を組み合わせて記載する。

ローマ字氏名を併記してする登記申請の際には、添付情報として、「ローマ字氏名証明情報」(ローマ字氏名を証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報、不動産登記規則158条の31第2項)を提供する必要があります。基本的には、ローマ字氏名が記載されている住民票の写しを添付することになるため、例えば所有権移転登記を行う場合の住所証明情報として添付する住民票の写しで足り、その場合は別途書類を用意する必要はありません。しかし、ローマ字氏名の記載がない場合は、有効なパスポートのコピー(「原本と相違がない」の記載及び登記名義人となる者等の署名又は記名押印をしたもの)などを提出する必要があります。

なお、すでに所有権登記名義人となっている外国人の方が、(ローマ字氏名が登記されていない場合)登記申請を行わずにローマ字氏名併記の申出のみをすることは可能です(不動産登記規則158条の32)。

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