成年後見人等の候補者

成年後見人等の選任は、本人の心身の状態、生活及び財産の状況、候補者の職業や経歴、本人との利害関係の有無、本人の意向などの事情を総合して、家庭裁判所が職権で行います(民法第843条4項、第876条の2第2項、第876条の7第2項)。

成年後見等の申立てにおいて、後見人等の候補者(例えば信頼できる親族など)を申立書に記載することができます(候補者を挙げずに、家庭裁判所に選任を任せることもできます)が、後見人等の選任ついては家庭裁判所の専権事項のため、希望する候補者が選任されない場合もあります。その場合には弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職が選任されることになりますが、候補者が選任されない場合でも不服申立はできません。後見人等が選任されると基本的には本人が亡くなるまで職務を行うことになり、毎月の報酬が必要となるため、この点は成年後見制度の利用がしにくい理由にもなっています。

候補者が選任されない場合として、親族間に意見の対立がある場合や財産額、財産の種類が多い場合、遺産分割など候補者と本人の利益相反がある場合などが挙げられています。ただし、こういった状況がない場合には、親族が後見人等になることが望ましい場合も多いため、候補者の親族が後見人に選任される場合もあります。(家庭裁判所の資料には、親族が候補者となっている場合に選任されないケースは少数との記載があります。)

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